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平成29年5月9日

株式会社商工組合中央金庫に対する行政処分について

 

金融庁、財務省及び経済産業省は、本日、株式会社商工組合中央金庫(以下「商工中金」という。)に対し、下記のとおり行政処分を行いました。

なお、商工中金の法令等遵守態勢、経営管理態勢及び内部管理態勢等について確認するため、株式会社商工組合中央金庫法に基づき商工中金に対し主務省による検査を実施いたします。

第1.命令の内容

株式会社商工組合中央金庫法(平成19年法律第74号)第59条に基づく命令

 

1.調査未実施の危機対応貸付全体について、外部の専門家のチェックを受ける等により客観性を十分に確保した調査を継続し、当該調査の結果や第三者委員会の調査結果を踏まえて問題の所在やその根本原因を特定すること。

2.危機対応業務に係る業務運営の適切性を確保するため、当面直ちに実施すべきものとして、以下に取り組むこと。

(1)適切な業務推進及び法令等遵守に取り組むための経営姿勢の明確化とマネジメント体制の整備・強化

(2)組織全体での法令等遵守意識の醸成

(3)不正リスクを踏まえた上での業務の適正性を確保するための業務フローの整備

3.危機対応業務の要件に該当しない案件について、他の貸付への振替等により取引先に不利益を及ぼさないよう適切かつ速やかに手続を行うとともに、株式会社日本政策金融公庫との損害担保契約の解除や既に支払いのあった利子補給金等の株式会社日本政策金融公庫への速やかな返還等の適切な対応を行うこと。

4.上記1.及び3.に係る作業工程並びに上記2.に係る業務の改善計画を平成29年6月9日(金)までに提出し、直ちに実行すること。

5.上記4.の作業工程に係る進捗状況・実施内容については、作業終了までの間、毎月取りまとめ、翌月20日までに報告すること。


 

第2.処分の理由等

1.商工中金からの経済産業省・財務省・内閣府関係株式会社商工組合中央金庫法施行規則(平成20年内閣府・財務省・経済産業省令第1号)第90条第1項第32号に基づく不祥事件等届出書並びに財務省及び経済産業省が株式会社商工組合中央金庫法第57条第1項に基づき商工中金に求めた報告によれば、危機対応業務において、以下のとおり不適切な事務取扱い等が行われていると認められること。

(1)不適切な事務取扱い等

ア.危機対応業務の要件確認のために顧客から提出される試算表等の書類が、多くの支店及び職員により長期間に亘って多数改ざんされていること

イ.池袋支店で過去に発覚した不正行為において、本来けん制機能を発揮すべきコンプライアンス統括室や監査部が行為がなかったとの結論を導き出すため、内部調査を行う際に答えを誘導する対応要領を作成・使用する等の不適切な対応を行っていること

(2)不適切な事務取扱い等の発生の背景として以下の点が挙げられる。

ア.危機時に備えて措置された危機対応業務の予算を、営業店の業績評価に組み込んで配分したことなどにより、制度趣旨に沿った運用を徹底できず、経営と現場との間で認識のギャップが生じていたこと、更に、コンプライアンス意識が不十分であったこと

イ.更にけん制部署である監査部やコンプライアンス統括室は、けん制機能が発揮できておらず、本部の管理態勢に問題があったこと

ウ.不正行為に対するリスク認識が不十分であったことに起因して、要件確認の不正防止に係る手続に不備があるなど、管理態勢が不十分であったこと

2.このため、当面直ちに必要な再発防止策を実施するとともに、調査未実施の危機対応貸付全体について外部の専門家のチェックを受ける等により客観性を十分に確保した調査を継続して問題の所在やその根本原因を特定し、全容を明らかにすることが必要であること。

3.なお、本命令により特定された問題の所在や根本原因等を踏まえ、法令等遵守態勢、経営管理態勢及び内部管理態勢の整備・強化(問題等の原因となった役職員の責任の明確化を含む)等に関し、新たな行政対応を検討することを申し添える。

お問い合わせ先

金融庁監督局総務課協同組織金融室

Tel 03-3506-6000(代表) (内線3361、3386)

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